2009年9月29日火曜日

レガシーコスト

「レガシーコスト」最近よく耳にする言葉。

レガシーコストとは、過去から引き継いだコストの事で、ここのところ話題に上がっているのは、米国において、企業が退職者の年金と医療保険等を負担しているコストの事である。

自動車大手GM社を破綻に追い込んだ最大の元凶とまで言われている。

公的機関のない米国では、医療保険制度や企業年金については、企業経営者と労働組合とが取り決めており、過去に取り決めた過去の遺産が現在になって発生し、退職者への年金や医療費等の費用負担が民間企業の「レガシーコスト」の代表と言われている訳です。

GM社の例を挙げると、生産している車1台あたりのレガシーコストは、健康保険負担が$1,525、早期退職者一人当たりの年金が毎年$36,000にも達し、その結果他国の自動車メーカーとの製品競争力を失くしたことが破綻の原因の一つという事です。

米国民は日本と違い、企業が破綻すると医療保険と企業年金の両方を失う訳ですから、オバマ大統領が保険制度の見直しを提言するのも理解出来ます。

こうして考えると、日本の医療保険や年金制度も様々な問題点を抱えていますが、まだマシな気がしますね。

直近で問題になっている「JAL再建問題」も一説によると、JALの高コスト体質はこのレガシーコストが影響しているとも言われていて、実際にJALの企業年金はANAの2倍だそうです。マジ?

どちらにせよこの問題、経営者側、労働組合側それを監督する政府の問題を先送りした無策の産物であることは間違いないですね。