2009年10月2日金曜日

嫌な季節

食欲の秋、スポーツの秋、観光・旅行の秋...。

この季節、食いしん坊にはたまりません。スポーツも夏・冬のスポーツが同時に観れる季節。
紅葉が美しく、心を落ち着かせるてくれるのもこの季節。

プロ野球もシーズン終盤を迎えクライマックスシリーズに向けて激しい3位・4位争いが繰り広げられて、スポーツ紙やテレビを賑やかにしていますが、一方では同じチームの中からチームを去っていく選手が決まる嫌な寂しい季節でもあります。

スポーツ紙の片隅を見ると「〇〇選手、来季戦力外通告!」「どこどこ球団が、〇名の選手に解雇通告」と、この季節になると記事が掲載されます。

「今期ドラフトの目玉!」「1位指名は〇〇選手で決定!」とこれから始りを告げる記事と正反対の終わりを告げる記事です。

その中には、20代前半の選手もいれば、30代後半の選手もいます。一軍に上がった選手もいれば、上がれなかった選手もいます。

私自身も“2回”の戦力外通告を受けました。野球だけしかやってこなかったそれまでの人生の全てが終わりを告げるかの様な気持になります。

日本のプロ野球は、野球の技術は勉強出来ても、その選手自身の人生を学ぶ環境ではありません。
自分の経験上、そこで人生を学ぶ感覚というのは余程の感性を選手自身が持ち合わせてなければ困難です。

もちろん、野球を学ぶことで人生にオーバーラップできることもたくさんあり、その成果は各選手の日頃の心構えでまったく異なります。

世の中の仕組みなんて何にも分かりません。所得税住民税、医療保険、年金、金融の仕組み、政治の仕組み、国、行政のサービス、教育機関、会社組織とは...

野球先進国の米国の例を挙げると、MLBやマイナーリーグ、独立リーグ全体の組織教育が充実しており、「野球が人生」ではなく、「野球は人生の中の一部」であることを入団時に徹底的に教育されます。だから野球を辞めた後の人生の大切さが分かるのです。

米国でマイナーチームの経営に参加し、メジャーチームの国際編成部にも所属する「タック川本氏」からもお聞きしました。「チームは地域のコミュニティーだから、現役中も引退後もその行動には注目と責任が付いて回ります。だから先ずは技術力よりも人間力が必要とされるのです。」

今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ方々、あなた達は決して人生の落伍者ではありません。新たな一歩を踏み出す出発点です。これからの人生の方が長いのです。

一時は「何でこうなったんだろう?」と思うことも大切ですが、野球で学べたことで社会に貢献して下さい。

心からエールを送ります。お互いに社会から「野球しかやっないからダメなんだ。」と言われないよう、「やっぱりプロまでいった人は違うな」と言われるよう頑張りましょう!

それが野球に対する“恩返し”だと思います。