2011年5月8日日曜日

腹立たずの会

みなさんは、「腹立たずの会」という会を知っていますか?

歴史を遡ること、戦国時代豊臣、徳川の時代です。

豊臣恩顧の外様大名でありながら、明治維新までの二百七十年間、大名として一国を守り続けた「筑前五十二万石黒田藩」。

豊臣秀吉のもとで天才軍師と言われた「黒田官兵衛孝高」(または黒田如水)が息子長政に託した言葉に「偉そうに振る舞うと、皆から嫌われ、やがて国が滅びる」という教訓があります。

黒田長政は、その教訓を忠実に守り、五つの戒めを守ったと記録されている。

●相手を見下げて、権威ぶった態度をとってはならない。
●言葉を荒くしたり、ささいなことで目を怒らせたりしてはならない。
●人から注意されたならば、はねつけてはならない。
●自分に非があるのに、威圧するような言い方で、ごまかしてはならない。
●わがままに振る舞ってはならない。

そして、長政は毎月1回、黒田家の幹部を集めたといいます。そして、その席で議長格の長政がこう宣言したと言います。

●私は、この会合で何を言われても、恨んだり、憎んだりしません。
●この部屋を一歩でも出れば、ここで話されたことは、一切口にしません。
●私は、この会合で何を言われても、腹を立てません。

そして、この誓約を参加者全員で同じ誓約をしてから会合をおこなったそうです。

この会こそが「腹立たずの会」である。

このメンバー全員が上に立つ者としての役割と責任を理解し、「少しでも向上したい!」「信用される人間になりたい!」とい気持ちでいのだと察することができる。

約三百年もの間、一国を守り続け民から慕わられたリーダーとはこういう事かとつくづく感心させられる歴史の記述です。