2009年11月17日火曜日

気候変動とコメ生産

フィリピンのロスバニョスにある「国際稲研究所」。アジアでもっとも古く(1960年設立)、最大の国際農業研究所(アジア・アフリカの14か国に出先機関がある)である。

同研究所の発表では、アジアにおける最近のフィリピンでの洪水やインドでのモンスーン、オーストラリアでの広範囲の干ばつの影響による、極端な天候に対してコメ生産の危機的状況を報告している。

しかし、温暖化等による気候変動が、現在の異常気象の起因になっていることの証明は難しいとしながら、「ただし、農業事業者が気候変動に対応することは可能である。」とも示している。

実際に2008年のミャンマーで起きたサイクロン「ナルギス」が、同国と地域社会に大損害を与えた時、同研究所は、「冠水」と「塩害」に強い「試験用種」を送った実績もあるという。

これまでに培ったコメ生産についての科学的知識をもとに「コメを気候変動に適応させる」という今後の難題に取り組むことを強調している同研究所。コメづくりは「アジアの生命線」であることは間違いありません。今後の研究の成果に期待したいと思います。

地球温暖化を止める努力と適応する努力。もちろん止めることが大切でしょうが...

*国際稲研究所:国際農業研究所の下部研究所で、フィリピン政府、フォード財団、ロックフェラー財団の協力によって設立された研究機関