2010年5月10日月曜日

日本におけるレアメタルの現状

最近よく耳にする「都市鉱山」。どの様な意味なのでしょうか?

専門的でよく分からない。そんな方も多いのではないのでしょうか?

そもそ「都市鉱山」とはなんぞや?

「都市において排出される家電などの廃棄物中に存在する有用金属(資源)を「資源鉱山」に見立てたもので、そこから資源を再生、有効活用しリサイクルの一環となる地上資源の一つでもある。」(wikipediaより)

今まで単純に廃棄していたものである家電やパソコン、携帯電話等には“希少金属”が含まれており、今後の“地上資源”として期待がもたれております。

では、日本での現状どの様になっているのでしょうか?

日本では、1970年の石油危機の反省に立ち、83年度からレアメタルの国家備蓄を行いました。鉄鋼原料素材として①パラジウム②クロム③マンガン④コバルト⑤ニッケル⑥モリブデン⑦タングステンの7品目を対象といたしました。

また、2008年発光ダイオードに使用するガリウムと液晶パネル電極に使用するイニジウムが加わりました。現在までのレアメタルの確保については、“国”ではなく、長年大手“商社”に任されてきました。

住商は、カザフスタンのウラン鉱石残渣からレアアース回収事業を行い、豊田通商もインド、ベトナムに進出し、中国の偏在性緩和の構築を行っています。また、三井物産は「都市鉱山」事業に力を入れています。

代表的な事例が「携帯電話」です。

携帯電話1トンあたり金が300g~400g、銀が2kg、パラジウム150kgが回収でき、三井物産は世界最大手のスクラップ会社に19.8%出資もしています。

他の例を見ると、日本国内に眠る液晶パネル電極等に使用するインジウムをかき集めると世界の埋蔵量の61%相当で、ここでも「都市鉱山」の重要性を感じ取れます。

携帯電話の出荷量は年間400万台とされ、その回収は03年1,171万台ありましたが、08年度は615万台へ減っています。

今後如何にこの様な地上資源と言われる「都市鉱山」を回収出来る仕組みが出来るかが大きな課題となりそうです。

出所:平成21年度神奈川県地球温暖化防止活動推進員等専門実践研修より