2010年2月7日日曜日

ヒールの存在

朝青龍関の突然の引退。

初場所中の暴力事件の影響で形式的には「引退」ですが、「引退勧告」「解雇か引退か」と今まで何度となく相撲協会や世間で物議を醸してきた相撲最高峰地位の横綱が最後に追い詰められた解雇に近い引退でした。

「悪童横綱」といわれ、横綱としての「品位」よりも「強さ」にこだわり続けた“異端児”でした。

強さと素行で目立てば目立つほど“自身の居場所”を失った横綱だったのでしょう。いつからこうなったのか?どこでこうなったのか?...

三つ子の魂百までもといいますが、やはり相撲界入門から今日までいつも嗜める人が周りにいなかったのかな?と思います。
高砂親方自身も大学相撲の出身で、下住み修行時代が短く確か幕下付け出しデビューでしたから親方として弟子教育が満足にできていなかった“つけ”だと私自身感じます。

有名人の性として、世間に注目されることはついて回ります。自身の本心はどうあれ“社会のロールモデル”であることは、子供たちのあこがれや社会の尊敬を得ることが必要な立場であることの観点から考えると横綱の最低限の必須項目の欠如でした。

しかし、面白さの観点からみると、戦いごとには“善玉”“悪玉”の存在をベースとしたストーリーがうける訳でして、戦後の大衆の娯楽の代表的なプロレスにおいても「力道山対シャープ兄弟」は空前のテレビブームの先駆けとなりました。野球においても「巨人対阪神」も善玉、悪玉とは違いますが、関西、関東という対局の戦いでした。

一方、朝青龍関も対局である白鵬関という“善玉”との戦い、または対日本人力士というストーリーの上では大相撲界の人気を支えたたことは事実であり、単なる強いだけではない“ヒール”としての付加価値もあったこともこれまた事実です。

“ロールモデル”とした強さと品位の大横綱か?強さとヒール感の横綱か?

本人にお会いしたことがないので、性格云々は何とも言えませんがどこかで何かを置き忘れてきた“少年”だったのでしょうね。

さて、方やボクシング界の“ヒール”である亀田大毅選手が世界チャンピオンになりました。日本初の兄弟チャンプです。ここでも今後のヒールっぷりが期待できますが、どのように変化していくのか?興味がありますね。

ちなみに、一人横綱となつた白鵬関は、毎年横綱の横浜後援会の皆様で開催されます「チャリティーゴルフコンペ」で参加者から集められた多額の寄付金を、NPO法人Reライフスタイルへご寄付いただいております。ご紹介させていただきます。

とにかく歴史に残る“ヒール”横綱朝青龍関、大変残念な幕切れですがいろんな意味でお疲れ様でした。

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