『絶望の国の幸福な若者たち』の著者「古市憲寿」氏はこう語っています。
世の中、デフレが進み、そこそこの品質のモノをそこその価格で買えるようになり、今の日本はお金の無い若者にとっても暮らしやすい消費社会である。
若者の消費概念がだいぶ変わり、都心部で車を買うのは意味がない。外食ではなく家でご飯をつくれはいい、ブランド物を買って自己実現という感覚が理解できない。
そんな風に思っている若者。
そのかわり、携帯電話の通信費をはじめ、誰かとつながるための出費は惜しみません。
つながりやコミュニケーションを求める消費者意識が芽生えているのです。
職業に関しては、「ホリエモン」のような成功モデルへの魅力は薄れ、大金持ちに憧れてベンチャー企業を起こそうという若者はあまりいません。
新入社員の意識調査では、明らかに「安定志向」が強まり、内閣府の世論調査によると日常生活で「悩みや不安を感じている」と答える20代の率が、1990年代半ばから上昇傾向にあります。
不安な時代だからこそ安定を求めるのは、ごく自然なことでしょう。
この一節、若者の安定志向や物欲の無さを上手に解析しています。
更に...
そもそもバルブ景気など「元気な日本」を見たことが無い若者にとっては、今が不遇の時代という感覚がなく、「なになにの時代と比べて」という肌感覚はないのです。
就職が大変なことも、世代格差についても、それは当然の前提すぎて、そほどの怒りを覚えない。
漠然とした「不安」は感じても、いつの何と比べてといった思考回路はないので、具体的な不満にならないわけです。
そこで現在の生活はどうかというと「満足」「まあ満足」と答えてします。
この著書、反響は大変大きなもので、若者からは「言葉にしていなかったことを言葉にしてくれた」、上の世代からは「若者の気持ちがよくわかった」と絶賛され、多くのメディアでも取り上げられました。
若い部下をお持ちの方、すべてがすべて当てはまるものではありませんが、何らかの若者意識に対する疑問が解けるような気がしせんか?
私は、このような若者の生き方に次のヒントが隠されていると思いますが...