現役時代と別れを告げる時は、誰でも来ます。
しかし、意外と別れができない、引きずり続けるアスリートは多いものてす。
そして、「引きずり続けるアスリート」のほとんどが、「こんなはずじゃなかった」という思いが頭から離れません。
「あの時に怪我しなかったら」「あの時に、あいつがいなければゲームに出れたのに」
「監督に、コーチに嫌われたから」
こんな風に、過去の自分に決別できないアスリートはたくさんいます。
私の場合、とにかく周りに恵まれていました。
野球とはまったく違う世界へと踏み入れた時の、「自分の情けなさ」に嫌気がさしたものです。
「なぜ、自分ばかり苦労をしなくてはならないのだろう?」
「俺は、社会のことを何も知らない」「社会では通用しない」
最初に教えてもらった仕事は「郵便の出し方」でした。
29歳の時です。
20歳ぐらいの女性社員に「藤枝さん、いいですかぁ、郵便はこうやって出すんですよ。」
情けなかった。
しかし、恩人の一言で私は変わりました。
「藤枝、良かったなぁ。何も知らないことがわかったんだから、後は覚えるだけだな。」
私は、この一言で「過去を悔やんでも仕方が無い。前に進むだけだ」と決めました。
私は、良い意味で「しようがないじゃん」という言葉が好きです。
どうのこうの言っても、どんなお金持ちでも、「一秒前には戻れないのです。」
「昔はこうだった」「こんなはずじゃない」とかという思いよりも、今の自分をスタートラインだと捉え、そこからどれだけ成長できるかを考えるべきです。
話しの半分が昔の話しになったら、もう終末に向かっていると思っても間違いありません。
私の周りの大先輩達も、現在から未来のことを語る方は元気です。
「本当なら」「本来なら」ではないのです。
今が、これからが大切です。
「目標が、その日その日を支配する!!」
これは、名将横浜高校渡辺監督の言葉です。
目標がない人生は、起こったことに対する「恨み節」しか生みません。
目標を目指しダメだったら「しょうがないじゃん」。
次の目標に向かうのです。
Mr.バタフライが聞きたかった、「アスリートの体力衰え」についての答えとは大分離れましたが、過去との決別とはこのようなものです。
「あなたは水泳を学びましたか?」という問いに対する答えと「あなたは水泳で“何を”学びましたか?」という答えの差を追求してみて下さい。
今の仕事に必ず役立つことがあるはずですよ。
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