2011年8月19日金曜日

「他人を動かすスキル」が身につかなかった

20代、30代が脇役的な働きに終始するのに対し、40代になるとようやく主役を演じるチャンスが訪れます。

確かにそれまでよりも自由に、自分の意思が発揮できるのは間違いないのですが、同時に上下左右に挟まれた立ち位置で仕事をしなければならないので、逆にそれを「重荷」に感じてしまった諸先輩も少なくありません。

会社からは「自由に思いどおりにやれ」と指示されても、当然そこには「責任」が伴います。

自分一人が自由にやるのではなく、ほとんどの仕事が組織としてチームのメンバーと取り組むことになります。

そこには「他人を動かすスキル」が必要となってくる訳です。

よく「名選手、名監督にならず」という表現がありますが、多くの諸先輩方が後悔しているのはまさにこの部分です。

プレーヤーとしては優秀だったのに、マネージャーとしての業績は今一つで、部下から不満が出たり、会社からは業績不振の詰め腹を切らされたりして、ラインから外されるケースもあります。

仕事ができ、順風満帆に昇進した人は、何らかの壁にあたっている人の気持ちが分からず、適切なアドバイスや行動が取れないために、メンバーを育成出来ないケースが多いと言えます。

「お前、なんで出来ないんだ、俺だって出来たのに」の台詞は、このケースの代名詞です。

「人を動かすスキル」が身につかない最大の理由は、そもそも管理職に求めらている“マネジメントスキル”を「業務のマネジメント」と解釈しているからです。

部下の仕事の進捗や指示出しすることだけがマネジメントではありません。

40代に求められるのは、業務のマネジメント以上に「部下のモチベーション」をマネジメントすることです。

マネジメントに対して苦手意識を持ち人もいますが、40代は本人が望まずとも周りから必ず求められる「スキル」なのです。

しかし、「人を動かすスキル」とは、管理職に求められるマネジメントスキルの「合わせ技」です。他人を動かすただ一つの“魔法”のようなスキルはありません。いくつかのスキルが必要なのです。

命令だけで部下が動いてくれるのは、余程の優秀な集団である場合に限られます。ほとんどの組織の場合においては、「業務」のマネジメントに、メンバーの「スキル」や「モチベーション」のマネジメントに加わって、そこには「ビジョン」という“方向性”を示すことによって、「他人を動かすスキル」が成立するのです。


☆入社1年目の教科書
16.仕事は盗んで、真似るもの
仕事は教えてもらうもの?勘違いしないで下さい。
仕事について教室や研修で教えられることは、限られているのです。
新入社員のころは、先輩社員の横にいて、お客様への質問の仕方、メモの取り方などすべて真似しようとします。
上司や先輩に普段見られない場所に連れて行ってもらうことは貴重な体験になるという話を前にしましたが、強調したいのは「見聞きしたことを真似て、自分の中に取り込むことです。」
「仕事は真似ること、盗むことでしか身につかないと言っても、決して言い過ぎではありません。」
しっかりと「真似しよう」「盗もう」と日頃から心掛けていると「洞察力が身につきます」この洞察力こそが「変化を見逃さない」という感性の源となるのです。
私の場合は、見聞きしたことを「書く」と「伝える」で自分の中に取り入れるようにしています。このブログもそうですし、社内研修用に作成する資料もそうです。
また、経営者間での日頃のコミュニケーションで出す話題も自分の中に取り入れるための手法の一つです。