2011年9月28日水曜日

必ず損をする人

自分の損得ばかり考えている「利己主義者」は、正直者を出し抜いて一時的には得をしますが、長い目でみれば必ず損をする運命にあると言われます。

以前、あるビジネス誌に掲載されていたコラムには、この「姑息な損得勘定は必ず損をする」という仕組みを心理学的に解明していました。

その理由とは、人間社会には3つの原理が存在している。
・互恵不能原理
・暴露原理
・集団淘汰原理

「互恵不能原理」とは、自分の損得ばかりに焦点が合っている利己主義者は、「お互いさま」でなりたっている人間社会で、最終的には「嫌なやつ」として人々から村八分にされます。
よいパートナーに恵まれたり、窮地を支援者の助けで脱したりという幸運に恵まれず「互恵」が「不能」になるので、結局は損をする。

次に「暴露原理」。暴露原理とは、人間には利己主義を見分ける能力がきわめて強力に備わっているということです。利己主義者は、周囲から排除されるのを防ぐために、表面を取り繕う行動に出ます。「人の力を利用できたら得だ」と計算した相手の前では、愛想良く振るまい、「自分は良い人だ」とアピールします。
逆に「自分にとって利益が無い」と判断すると冷たい態度をとります。損得計算にもとづく見せかけの「姑息な態度」は結局は表面化しるのです。

最後の「集団淘汰原理」とは、「お互いさま」という人間社会の理屈を理解しているものは、良い人同士のグループが形成され、一つのものを与えられたら「ありがとう」と感謝し、1.5倍のものを返そうとします。
仕事の場でも、足し算、かけ算のような“相乗効果”を生み出し、そこにはよりよい人材が集まり、自然と利己主義者は淘汰されるのです。

また、自分の損得ばかりに焦点が合ってしまう人は、自分の得にならないことに対して、後先を考えずに怒りに任せて言動も行動も乱暴になるのも特徴です。

自分から遠い他人のことまで思いやる人ほど、あるいは遠い将来のことまで配慮する人ほど人望のあるリーダーになります。

この配慮できる範囲が広い「お互いさま」を理解している人ほど結局のところ『運がいい』のです。

人を騙す事件ばかりがメディアに登場すると、ここで述べたことが当てはまらないように感じますが、人間は確実に「悪者を見破る能力」を進化させているのです。

「お互いさま」という人間社会の構造を理解し、「利己主義」ではなく「利他主義」の考えで物事にあたるべきなのです。